宇波行政書士事務所
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◆強制送還と仮放免許可申請
■入管法の一部改正
■子の認知と国籍取得
■帰化
強制送還と仮放免許可申請と在留特別許可
担当者の紹介
 宇波 茂樹 (うなみしげき)
行政書士
法務大臣承認申請取次行政書士
東京都行政書士会会員
財団法人入管協会会員
専門:  フィリピン、タイ、中国、韓国
ロシア、ルーマニア、その他各国
国際結婚のビザ・在留資格取得専門。
 
仮放免許可申請
 不法残留者や不法滞在者など「出入国管理及び難民認定法」違反者に関する手続きは、原則として、収容施設に収容の上60日以内に結論が出される仕組みになっていますが、健康上の理由等から一時的に収容停止にして、手続きを進めることが認められており、そのことを仮放免といいます。
 仮放免が許可されるためには、保証金(300万円を越えない)を納付するほか、住居及び行動範囲の制限など必要な条件が付されます。この保証金は、在留特別許可が認められた場合、または入国管理局が本人の出国を確認した後に返還されます。通常、この手続きの該当者は、大まかには次の二つのケースに大別されます。
収容令書による仮放免
入国管理局により身柄を収容された場合)
出頭申告による仮放免
在留特別許可等を願い出て出頭申告した場合)
退去強制令書による仮放免許可
(退去強制令書が発付されてからの仮放免許可)
職権による仮放免許可
 上記の(1)と(2)以外に退去強制令書による仮放免許可があります。前述いたしましたように、収容から60日以内に退去強制令書の発付がされるかどうかが確定いたします。しかし、退去強制令書が発付されても例外的に一時的な仮放免が許可される場合があります。
 当事務所も被収容者の関係人から依頼されて、上記(3)退去強制令書による仮放免許可申請(書類作成の代行)をして許可されたことがあります。この場合は、被収容者に全く逃亡の恐れがないこと、また身元引受人が被収容者の関係人であること。そして、仮放免許可をするに値する特別な事情がなければなりません。保証金は相当額になるはずです。仮放免許可中に逃亡すれば保証金は没収されます。退去強制令書が発付された場合は、原則、退去強制処分となりますので退去強制令書による仮放免許可は例外的措置です。
仮放免許可の請求
 仮放免を請求できる者は、被収容者本人又はその代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹です。請求先は、被収容者が入国者収容所に収容されている場合は当該の入国者収容所長に、また、地方入国管理局の収容場に収容されている場合は当該商用場を所管する地方入国管理局の主任審査官に対して請求します。

見本


仮放免の手続きは、に示されておりますが、上記の(1)と(2)は、 その事務の流れにおいては基本的に同じです。
退去強制手続についてはをクリック
(備考) よく強制送還という言葉を聞きますが、退去強制処分のことです。概して、強制送還という用語は入管業務では使いません。

強制送還(退去強制処分)された外国人の配偶者を日本に招聘したいと希望される場合は、MENUの在留資格認定証明書及び上陸特別許可をご覧ください。
 
在留特別許可
- 在留特別許可とは -
 在留特別許可は、本来、入管法第24条に該当する退去強制されるべき者に対する恩恵的措置です。不法残留或いは不法滞在する違反者が自己を在留させるべき と要求する権利はありません。法務大臣が在留特別許可を与えないとしても、何ら違反者の地位を害するものではありません。

 在留特別許可を与えるか否かの裁量は、単に違反者の経歴や家族関係等の主観的乃至(ないし)個人的事情だけでなく、国際情勢、送還事情及び内外外交政策等も総合的に考慮して決定されます。これらの諸事情は相互に関連し、国内事情、国際情勢は時とともに変化するものです。また、主観的、客観的事情は個々に異なり、在留特別許可の許否についての固定的或いは一義的基準はありません。
違反調査と違反審査と口頭審理
 厚生福祉の増進を目的とする社会法以外のほとんどの法律は、罰則規定を設けています。入管法もその例外ではなく、同法70条以下に罰則規定があります。ところで、入管法は、上記罰則規定のほかに退去強制処分行政処分を含むのが大きな特色です。この手続きを行うのが、入国警備官や入国審査官です。
1違反調査
 入国警備官は外国人の入国、上陸又は在留に関し、当該外国人が入管法24条各号の1に該当すると思料するときは、当該外国人を日本から強制送還するための取調べを行うことができます。この手続きは在宅のまま、又は収容のうえ進めます。この事務を(入国警備官による)違反調査といいます。
 当該外国人が退去強制事由に該当すると疑うに足りる相当の事由があるときは、身柄を収容のうえ手続きが開始されますが、収容手続きを執った入国警備官は身柄を拘束したときから48時間以内に証拠物等と共に当該外国人を入国審査官に引き渡さなければなりません。
2違反審査
 身柄の引渡しを受けた入国審査官は当該外国人が退去強制事由に該当するか否かを認定し、該当すると認定したときでも当該外国人は同認定に異議を申立てることができます。(この申立ては、認定の通知を受けた日から3日以内に特別審理官に対し文書で行います。)
3口頭審理
 特別審理官が入国審査官の認定が事実に相違するか否かを判定する手続きを口頭審理といいます。口頭審理の結果、入国審査官の認定に誤りがないと判定したときは、法務大臣に異議を申立てることができる事を知らせなければなりません。
 以上のとおり、退去強制手続きは3審制が執られその中で告知聞問反証などのいわゆる適正手続きが保障されており、退去強制対象者の利益が守られる仕組みになっています。
 よって、収容や在宅に拘らず、在留特別許可を願い出るときは、なによりも提出文書が重要になります。事実を正確に記載して、違反者は自ら在留するに足る特別な事情があることを立証しなければなりません。

見本


認定通知書
見本


裁決通知書

見本


退去強制令書

 
− 必読
業務を依頼する事務所のレベルで送還されるかどうかが決まります
 外国人の婚約者や配偶者が逮捕され収容されたときは、慎重かつ迅速な対応が求められます。入国管理局に収容された日から2週間が最も大事な期間です。通常であれば第3週間目は既に違反審査が終わり口頭審理(最終審理)が通知される時期です。(2008年5月現在)
 収容されてから30日以上も経過してから連絡をいただくケースがありますが、殆ど手遅れに近い状態です。口頭審理の後に相談されても当事者に余程の事情変更がない限り事態を好転するのは難しいのです。よって、特に婚姻届出をされていないケースでは逮捕され収容された日から素早い対応が求められます。文字通り時間との闘いなのです。
 屡々(しばしば)聞かれることですが、「収容されてから60日間は入国管理局にいられる。」「この間は送還されないから、まだ時間はある。」などです。ですが、これは間違いです。簡単に申しあげれば、法務大臣は60日以内に被収容者の処分を決めなくてはならない、とされています。ですから、収容から10日以内に或いは20日以内に処分(送還するか仮放免するか在留特別許可するか)を決めてもよいのです。
 但し、いくら早期に対応して弁護士事務所や行政書士事務所に依頼していても、その事務所が国際結婚手続きや入管業務に不慣れなためにアウト(強制送還される)になった例も数多くあります。特に多い例ですが、お相手が逮捕収容されてから、助けたいが知識もつてもなくて被収容者(収容されている者)やその友人などの外国人から事務所を紹介されているケースです。どんな事務所なのか訳も分からないままに依頼するケースです。「紹介されたので断れずに、その事務所に任せたら送還されてしまった。」と、退去強制令書が発布されてから相談の電話をいただくケースも数多くあります。
(行政書士本人に会って相談すべき)
 収容されている外国人が中国人のとき、中国人の補助者(手伝いの事務員)がいる事務所に依頼するのが顕著です。また、被収容者が韓国人のとき韓国人の補助者がいる事務所に依頼するのも特徴的です。これは補助者が良くないとの意味ではありません。応対や仮放免許可申請や在留特別許可の文書作成を外国人補助者に任せている事務所もあります。実際には行政書士事務所ではなく、ブローカーの場合もありますのでご注意下さい。最近の例ですが、全く行政書士が現れず、補助者しか対応しない事務所もありました。
 一方、私どもの事務所は仮放免許可申請や在留特別許可の業務の依頼をお断わりすることも多々あります。相談当初から、とても無理だ(送還になる)と想定される場合はお断わりしています。「他の事務所に依頼したのだけど、結局、送還命令(退去強制令書)が出た。どうすればよいか。」と、沈痛な面持ちで事務所にお越しになる方もいらっしゃいますが、よく事情を聞いて内心、「あの事務所は、どうしてこんな事案を引き受けたのだろう。はじめから在留特別許可される見込みがないのに。」と、思うことも頻繁です。
 経験の浅い事務所の典型的な例です。出頭申告(在留特別許可を願い出るため自主的に入国管理局に出頭する)ときに用いる「陳述書を提出してそれに嘆願書を添えるだけの仕事をする事務所です。それで数十万円請求されて、結局、送還されたケースも本当に数多く目撃して来ました。パートナーが送還されたと嘆くお客様が持参された書類の(写)を拝見すると、経験が浅くて見よう見真似で在留特別許可の事務手続きをしていたとしか思えない同業者もおります。慄然とします。
 余談かも知れませんが序でにお話させていただきます。現在、入国管理局で違反者が出頭申告して在留特別許可を願い出るときに用いられている陳述書の原型は、罪を犯した外国人が矯正施設(刑務所・拘置所・鑑別所など)から入国管理局に引き渡されるときに身柄とともに一緒に渡されていた文書だと仄聞(そくぶん)しています。もともとは違反(犯罪)事実や身分事項そして人物の概要なりを簡単に記載していた文書だそうです。これが変遷して現在の書式に至りました。ですから、逮捕収容されたときに出頭申告時に用いる陳述書を提出して事足れりとすることには強い違和感を覚えます。
 親しい弁護士から聞いた実際の話ですが、多額の手数料を受け取りながら被収容者が送還された翌日に入国管理局に在留特別許可を願い出る書類を提出していたという驚くべき事務所もあります。論外です。パートナーが送還されてから日本人のお客様が私の親しい弁護士事務所に相談に行って、弁護士が事実関係を確認して発覚しました。唖然とするばかりです。
 入国管理局では優秀な審査官が厳粛に審査しているのですから、本来であれば、すべて審査官に処分をお任せすればよいのですが、限られた時間の中での審査ですから、よい結果をいただくためには、被収容者はできるだけの資料や文書を提出して処分を待つという態度が望ましいと思われます。
 ところで、お相手の方が収容されて他の事務所に相談したら見込みがないと言われたのに、私どもの事務所で業務をお引受けして仮放免許可や在留特別許可を認めていただき入国管理局から出られたケースもあります。仕事を引き受けるときの着目点が違うのだと思います。
 近年、結婚手続きの準備中に逮捕収容される案件が急増しています。ここで是非とも申しあげたいのは、婚姻していないケースにおいて業務を依頼するときは、入国管理局に提出する仮放免許可申請や在留特別許可に係る文書作成のみならず、結婚相手の国の婚姻手続き方法や必要書類にも精通した事務所を選択すべきだと言うことです。と、申しますのも以下のような事案があったからです。
(婚姻手続きが遅れて送還されたケース)
 お相手の方がフィリピン国籍で、その婚約者を自分の両親に紹介した翌日にお相手のフィリピン人女性が逮捕されたケースです。逮捕されたときには未だフィリピン本国から婚姻に必要な書類が届いていなかったそうです。待てども待てどもフィリピンからは書類が届かず、到着したときは入国管理局に収容されて25日以上経過していたそうです。それらを持参して、早速、六本木に在ります駐日フィリピン大使館に出向いて「婚姻要件具備証明書」を申請しようとしたのですが、「書類の書式が違う。記載の文言にも不備がある。」と指摘されて受理されなかったそうです。また、最初からやり直しです。取り直しです。そうこうするうちに収容から40日間以上経過したときに法務大臣から退去強制令書(送還命令)が発布されたそうです。
 フィリピンの場合は、年齢に拠り、パスポート所持の有無に拠り、本国から取り寄せる婚姻に必要な文書が異なります。また、駐日フィリピン大使館内の手続きにも詳しくないと婚姻手続きは進捗いたしません。何度も何度も大使館に通うことになります。徒に時間を経過させないためにも入国管理局の手続きと同じようにフィリピン国の婚姻手続きにも精通した事務所を選択することをお勧めいたします。
 因に、私どもの事務所では約1週間でフィリピン本国から外務省が認証した赤いリボン付きの「出生証明書」や「婚姻記録不在証明書」等の必要書類が取得可能です。また、韓国について申しあげれば私どもの事務所には駐日韓国大使館領事部に29年間勤務して戸籍事務を担当していた崔 永貴さんも顧問として在籍しております。韓国の新しい家族関係登録制度(旧戸籍法)にも対応できます。更に、中国人の場合収容されてから婚姻要件具備証明書を取得するのは難しいのですが、これにつきましても対応させていただきます。
 大袈裟(おおげさ)ではなく、被収容者が仮放免許可されるか在留特別許可されるかは、どの事務所に仕事を依頼するのかで決まる場合もあります。経験や実績を重視して依頼すべきだと思料いたします。当事務所には元法務省入国管理局警備監理官の経歴を持つ者が2名在籍しております。警備監理官とは簡単に申しあげれば送還部門の最高責任者です。
 
- 取扱事案 -
 このところ警察に逮捕され裁判所の判決を経由した被収容者や直接入国管理局に摘発された被収容者に対しての違反審査と口頭審理それに基づく退去強制令の発付に要する期間が従来よりは相当短縮されています。つまり、収容されてから送還(退去強制処分)されるまでの期間が短くなっております。単純ケースの場合、収容されて退去強制令書が発付されるまで30日間を要しておりません。在留希望される場合には今までより迅速に対応しなければなりません。いったん収容されれば残された時間は僅かしかありません。できるだけ早く適切な文書を作成して入国管理局に提出し、在留希望の意思を伝えるとともに特別な事情があることを証明しなくてはなりません。
法務大臣の権限の委任に関する規定の新設(第69条の2)

 近年の入国管理局における業務量の増加にかんがみ、事務処理の合理化を図るため、法務大臣の権限を地方入国管理局長に委任することができる旨の規定が新設されました。
 従来、退去強制令書の発付は、実務上、法務省の審判課が主催する採決委員会で検討されておりましたが、平成14年3月1日施行の法律に拠り、その事務は地方入国管理局長に委任することができるようになりました。これに拠り、収容から退去強制令書の発付(但し、難民認定等を除く。)までの事務処理の期間が短縮されるようになったものと推測されます。
 よく耳にする話ですが、仮放免許可申請が不許可となった場合でも、何度も申請すれば入国管理局に誠意が認められて仮放免が許可となったり在留特別許可が付与されるとのことですが、これはまったく法的根拠のないデマです。噂や伝聞に惑わされると送還という大変な事態を招きます。
 
取扱事案(1)
 実話ですが、売春防止法違反で逮捕され執行猶予付き懲役刑を受けた外国人がおりましたが、その刑事裁判を担当した私選弁護士は初犯で執行猶予になるだろうから判決日には自宅に戻れると事件を起こしたご家族に説明していました。判決を言い渡された後、法廷から直ちに入国管理局に送致され収容されたためご家族の方が慌てて私どもの事務所に飛び込んで在留特別許可願いの業務を依頼されたこともあります。後日、この方は在留特別許可となりました。(在留期間は1年)

 但(ただ)し、私どもの事務所はよほどの事情がない限り、逮捕収容されてから婚姻(通称、駆けこみ婚)した被収容者の在留特別許可を願い出る業務はお引き受けしておりません。
 ですが、相当期間の同居事実があり、既に婚姻手続きに着手していて逮捕収容された場合はこの限りではありません。お引き受けしております。

(売春防止法違反の収容ケース)
 有効な在留資格がある者でも売春防止法違反で逮捕され、違反を認めたときなどは刑事処分がなくても勾留後は入管渡しになるのが普通です。入管法は不処分とされた場合でも退去強制処分にすることができるとしています(入管法24条4号ヌ)。

 売春防法違反は略式命令による罰金刑が一般です。違反者が日本人の配偶者で逮捕勾留後に不処分となったとしても、収容された場合、それが在留特別許可或いは仮放免許可されるケースは希です。まして、売防法違反で収容されてから婚姻届出をして仮放免許可申請をするのは論外と申せます。

 最近の取扱事例です。売防法違反で逮捕され不処分となり東京入国管理局に収容された方が在留特別許可されました。(許可日平成15年12月11日。在留期間1年)

 同じく、当事務所の取扱い事例です。売防法違反で逮捕され略式命令で罰金刑を受けて東京入国管理局に収容された方が在留特別許可されました。(許可日平成16年3月25日。在留期間1年)

取扱事案(2)
 当事務所でも、不法残留者が逮捕されてから拘留中から婚姻のお手伝いをして、その後に在留特別許可を認めていただいたケースがあります。それは、逮捕されたとき当事者は既に7年間同居生活を送っておりました。彼らは数年前に最寄りの市役所に婚姻届を提出しようと出向いたのですが、戸籍課の職員が不法残留者の外国人との婚姻手続きをよく理解していなかったため婚姻届が受理されなかった経緯がありました。更に、二人の間に子が授かったのですが、生後数ヶ月間でその子は亡くなっておりました。そして、警察に逮捕されたのもその不法残留者の雇用主が数ケ月分の給与を支払いたくないがために通報したとしか考えられず、情状酌量されるべき点が多々ありました。警察に逮捕される直前には、再度、婚姻届出をするために本国の家族に依頼していた婚姻のための必要文書が届いておりました。
 警察署と駐日フィリピン大使館の協力を得て、留置中に無事、婚姻要件具備証明書が発給されて、婚姻を成立させることができました。その後、この方は在留特別許可(日本人の配偶者等、在留期間1年)が認められました。
 これは駆け込み婚には該当しないと判断して、在留特別許可のお手伝いをさせていただきました。

逮捕収容からの仮放免許可と在留特別許可
 一般的に、在留資格の有無に拘わらず違法行為により警察に逮捕された場合は裁判所の判決を経て、懲役1年以上で執行猶予付きの量刑では退去強制手続きのために入国管理局に送致されます。(但し、懲役1年未満で有効な在留資格があり、薬物や売春等の罪状に該当しない者は収容されません。)
 入国管理局は被収容者に対しては人定後、直ちに強制送還(退去強制)の手続きに着手いたします。収容された違反者は退去強制処分となるか在留特別許可となるか仮放免となるかのいづれかです。よく収容されて仮放免が認められた者が仮放免許可をビザ(在留資格)が与えられる前段階だと思い込んでいる方が多いようですが、この解釈は正しくありません。

 収容されてからの仮放免は、出頭申告して在留特別許可を願い出てからの仮放免とは違った意味合いを持っています。収容されてからの仮放免は、簡単に申しあげれば、退去強制処分と在留特別許可の狭間にある不安定な状態だということです。俗っぽい表現ですが、入国管理局が暫く泳がせて様子を見てから処分を決めようとしている期間だと考えた方が理解しやすいと思います。そのため、仮放免中であるのに、或る日、出頭したら再収容されて送還される事態が起こる訳です。

 それとは別に、不法残留者や不法滞在者が逮捕収容されて、仮放免の期間を経ずにいきなり在留特別許可となって収容場から出られる場合もあります。これは仮放免許可の期間を設けなくても法務大臣が在留資格を与える特別の事情があると認めた場合です。私どもの事務所でも依頼を受けて、不法残留者や不法滞在者が警察に逮捕され裁判を受けて入管に送致されて収容され、収容されてから在留特別許可を願い出て、数十日間で在留特別許可されたケースが多くあります。

取扱事案(3)
 これは最近の事例ですが、不法残留の女性が新宿歌舞伎町のクラブで不法就労していた飲食店(クラブ)に警察と入管の捜査が入りました。不法残留でホステスをしていた外国人、在留資格はあるものの売春容疑で逮捕された者、そして学生で資格外活動をしてい外国人女性が大勢逮捕されたようです。
 私どもの事務所に来られた方(日本人の男性)は、不法滞在してそのクラブで働いていた女性と結婚しようと婚姻手続きに着手していました。その外国人女性は他人名義の旅券(パスポート)で不法入国していたため、婚姻要件具備証明書の発給を受けられず婚姻届が受理伺いになっていたようです。その間に逮捕されて有罪判決を受け、その日本人の男性が私どもの事務所にいらしたときは、相手の外国人女性は既に東京入国管理局に収容されておりました。
 その日本人男性は、婚姻手続きから在留特別許可を願い出るまでの一切の手続きを或る行政書士に依頼していたとのことです。しかし、実際は、数ヶ月間も婚姻届が受理されず、そのため在留特別許可を願い出る以前に相手の女性は逮捕され、有罪判決を受けた後、収容されてしまったとのことです。自分は彼女を妻として迎えたい気持ちに変わりなく、なんとか送還されずに収容場から出して夫婦として生活したいと希望されていました。事態がいっこうに進捗せず、焦りを覚えた当事者の日本人男性が私どもの事務所に訪ねて来られました。
 私は、その行政書士が作成した婚姻届出に係る文書や入国管理局に提出した文書のすべての(写し)を拝見いたしました。その時点では既に仮放免許可申請もされておりました。しかし、それらの文書には手続き上の瑕疵があり、とうてい在留特別許可が認められるとは思われない資料でした。それから当事務所に一切を任すという条件で、この外国人女性の在留特別許可に係る業務を依頼されました。その後、当該の外国人女性は仮放免許可となり収容場から出ることができました。

‐ 特殊な事例 ‐
取扱事案(4)
 2007年8月の事例です。フィリピン人国籍の女性(永住者)が本邦に不法入国して18年間不法滞在しているフィリピン人男性と結婚する予定で婚姻手続きの準備を進めておりました。当事者の二人が駐日フィリピン大使館で「婚姻要件具備証明書」を申請した帰り道に地下鉄日比谷線の六本木駅近くで私服の警察官に職務質問されて夫になるはずのフィリピン人男性が旅券不携帯で連行され不法入国の容疑で逮捕されました。
 その後、このフィリピン人男性は起訴され懲役2年6ヶ月執行猶予4年」の刑が言い渡され刑が確定しました。このケースは逮捕された時点で相談があり、早期に対処できたこともあり、不法滞在のフィリピン人男性に在留特別許可永住者の配偶者)が認められました。これは日本人と婚姻関係にない、フィリピン人の永住者と不法滞在者が結婚をして在留が認められた許可事例です。
取扱事案(5)
 2007年11月の事例です。東京在住の不法残留フィリピン人父子の事例です。当該のフィリピン人男性は19年ほど以前に観光ビザ(短期滞在)を取得して上陸し、数年後に日本国内で不法残留(オーバーステイ)しているフィリピン人女性と出会いました。
 二人は同棲生活をして一児(男の子)を設けたのですが、子が誕生してから二人の関係が円満でなくなり別居するに至りました。正確に申しあげればフィリピン人女性は子を置いて家を出たのです。因(ちなみ)に、在留資格のない両親から生まれた子は(生後60日を超えて日本国内に在留する場合)は不法残留になります。
 その後、家を出た不法残留のフィリピン人女性は日本人と結婚して在留特別許可されたのですが、残されたフィリピン人父子は依然として不法残留のままであり父親は幼い子を一人で養育しておりました。
 ところが、その父親が職務質問で連行され逮捕されました。警察の取調べの後に入国管理局の収容場に送られましたが、この事案も逮捕直後に相談があり早期に対処できたこともあり、このフィリピン人父子は最終的に仮放免許可されました。
 これは希なケースです。日本人と婚姻関係になく或いは日本人の子を出産して養育しているのでもなく、家族の誰も在留資格がない場合(家族全員がビザはない場合)で、その当事者が在留特別許可されたり仮放免許可されるのは例外的なケースとお考え下さい。但し、事案により在留特別許可されるものもありますのでご相談下さい。
 冒頭でご説明いたしましたように、格別な事情がない限り収容直後の仮放免許可申請は不許可になることが殆どです。仮放免が認められるにはそれなりの理由がなくてはなりません。収容直後に闇雲(やみくも)に仮放免許可申請されるケースが多いと仄聞(そくぶん)しています。仮放免許可申請は軽々にするものではないと心得ます。
 
最近の取扱い事例の傾向
 政府が不法滞在者の半減を目指していることもあり、近ごろ都心では不法残留者や不法滞在者の摘発が頻繁になされています。「逮捕された。」「収容された。」「助けて欲しい。」という相談が後を絶ちません。
 私どもの事務所はそんな方々の依頼をお引受けして、毎月のように収容された違反者を救済すべく書類を作成して入国管理局に対して「仮放免許可申請」及び「在留特別許可」を願い出ておりますが、当事務所では日本人との婚姻に関する事案に限定して申しあげれば殆どが許可されております
 最近、特に顕著なのが婚姻手続きに着手している最中に駅中や駅周辺で職務質問され、旅券不所持等で連行されて逮捕され入国管理局に渡されるケースです。婚姻に必要な書類(婚姻要件具備証明書)を申請するために在京の大使館に行く途中で捕まったというケースが頻発しています。
 今年になって(2007年8月現在)婚姻手続き中に逮捕され収容されたというケースだけでも12件手がけました。幸いなことに12件中11件「在留特別許可」或いは「仮放免許可」されました。不許可1件の事案は、本国に夫がいるにも拘らず婚姻相手の日本人にもその事実を隠蔽して本国から偽造書類を取り寄せて「婚姻要件具備証明書」を取得しようと目論んでいたF国の女性でした。ですが、殆どの場合、婚姻手続き中に逮捕収容されても諦めることはありません
 真に相手の方と結婚して日本で暮らしたいと願うなら、思いは法務大臣(入国管理局長)にも通じると思います。その思いを如何に文書化するかということです。「法は不可能を強いず。」と申しますが、思うことを的確に文書にすることが要求されます。そして、逮捕収容されたら婚姻手続きにも精通した専門家に相談して直ちに対応することが肝心です。
 
改正入管法 (1)
施行日 平成16年12月2日
上陸拒否期間の改正と出国命令制度の新設
1 上陸拒否期間の改正
 平成12年2月18日に入管法の一部改正が施行され、上陸拒否期間がそれまでの1年から5年に伸長されましたが、更に平成16年12月2日に上陸拒否期間に係る法律が再度改正されました。
 従来は、入国管理局に自ら出頭申告して出国する違反者も収容されて退去強制処分となる違反者も上陸拒否期間は同じく5年でしたが、今回以下のように改正されました。
(1)過去に退去強制歴のある者(今回が初めての違反でない者) 10年
(2)出国命令により出国した違反者                    1年
(1)及び(2)以外の違反者の上陸拒否期間は5年です。
2 出国命令制度の新設
 退去強制手続きにおいては従前から事実上その身柄を収容しないまま出国させる措置が実施されていましたが、平成16年12月2日の入管法改正においては違反者のうち、一定の用件を満たす不法残留者について、簡易な手続きにより出国させる出国命令制度が新設されました。出国命令に拠り出国した違反者の上陸拒否期間は1年です。
該当要件
(1)出国の意思をもって自ら入国管理局に出頭した者であること
(2)不法残留以外の退去強制事由に該当しないこと
(3)窃盗罪等の一定の罪により懲役又は禁錮に処せられた者でないこと
(4)過去に退去強制されたこと又は出国命令を受けて出国したことがないこと
(5)速やかに出国することが確実に見込まれていること
 例えば、他人名義の偽造旅券を行使して不法入国した違反者が自ら入国管理局に出頭申告して出国を希望しても、これは不法残留に該当しないので過去に違反歴がなくても「出国命令書」を取得して出国できません。また、違反者の真正な名前の旅券で入国していても生年月日が異なる偽変造旅券の場合も出国命令には該当しません。これらに該当する違反者の上陸拒否期間は5年間です。
 
改正入管法 (2)

上陸特別許可および在留特別許可
(1) 人身取引等に関する上陸拒否事由及び退去強制事由の改正
 従来の入管法上は、人身取引等の被害者が、売春等に従事させられるなどした場合であっても、退去強制事由等に該当し、退去強制等の対象となっていました。
 こういう被害者は、売春を強要されたり、売春に至らないまでも、意思に反して風俗営業店で稼働させられて資格外活動を強要されるなどして、これらの被害に遭ったこと自体が退去強制処分の理由とされることは不合理であるので、今回の改正(2005年7月12日施行)により、そのような場合には退去強制事由から除外することになりました。
 具体的には、上陸拒否事由に関して、売春等の業務に従事したものから「人身取引等により他人の支配下に置かれていた者」を除外し、また退去強制事由に関して、専ら資格外活動を行っていたと明らかに認められる者及び売春等の業務に従事した者から「人身取引等により他人の支配下に置かれている者」を除外することになりました。
(2) 人身取引等に関する上陸特別許可事由及び在留特別許可事由の改正
 人身取引等の被害者は、偽造旅券を持たされて不法入国させられたり、当初は、合法的に入国したが、加害者の支配下に置かれているうちに、在留期限が経過して不法残留となることが少なくありません。
 出身国に帰国することによって犯罪組織の関係者から生命・身体に危険が生ずるおそれもある場合など、本邦における在留を特別に配慮すべき事情があります。そこで、今回の改正により、先ず、「人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に入ったものであるとき」には、上陸特別許可を与え得る旨の明文規定を設けることになりました。これは、上陸申請段階において現に人身取引等の被青に遭っている者からの保護要求に対処するための規定です。
 人身取引等により他人の支配下に置かれたために不法滞在状態に陥った者などについても我が国に滞在できるよう、「人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に在留するもの」には、在留特別許可することができる旨の明文規定を設けることになりました。これにより、被害者が安心して被害の申告ができるようになるものと考えられます。
  
参考意見
 在留特別許可について申しあげれば、特に、収容された場合は万全を期して対応しなければなりません。送還と背中合わせの真剣な手続きです。時間との闘いでもあります。上記の文章は同業者を揶揄(やゆ)するものではありません。しかし、当事者ご本人の立場に立って思うとき、できれば、収容ケースの在留特別許可(仮放免手続き)だけは、それの実務経験が相当ある行政書士に依頼されることをお奨めいたします。
 それと最近、特に感ずることですが、行政書士資格を取得して間もない或いは申請取次資格を取得して間もない方が直ぐにホームページを開設して在留特別許可の業務を引き受けますと謳っているサイトに注意を惹かれます。行政書士事務所を開設すれば、入管業務に関する文書作成の業務をしていっこうに構わない訳ですが、在留特別許可については、一定期間の勉強をされてから仕事の依頼を受けたほうがよいのではと思料しております。
 私も在留特別許可の業務をお引受するようになったのは申請取次資格をいただいて3年目からだったと記憶しております。被収容者の人定も済まないのにまた明らかに在留を認めるに足る特別な事情もないのに仮放免許可申請をすることは徒(いたずら)に違反審査部門の仕事を増やすだけです。仮放免許可はよく状況を踏まえて申請しなければならないと心得ます。


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