宇波行政書士事務所
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入管法の一部改正
改正入管法 (1)
施行日 平成16年12月2日
上陸拒否期間の改正と出国命令制度の新設
1 上陸拒否期間の改正
 平成12年2月18日に入管法の一部改正が施行され、上陸拒否期間がそれまでの1年から5年に伸長されましたが、更に平成16年12月2日に上陸拒否期間に係る法律が再度改正されました。
 従来は、入国管理局に自ら出頭申告して出国する違反者も収容されて退去強制処分となる違反者も上陸拒否期間は同じく5年でしたが、今回以下のように改正されました。
(1)過去に退去強制歴のある者(今回が初めての違反でない者) 10年
(2)出国命令により出国した違反者                    1年
(1)及び(2)以外の違反者の上陸拒否期間は5年です。
2 出国命令制度の新設
 退去強制手続きにおいては従前から事実上その身柄を収容しないまま出国させる措置が実施されていましたが、平成16年12月2日の入管法改正においては違反者のうち、一定の用件を満たす不法残留者について、簡易な手続きにより出国させる出国命令制度が新設されました。出国命令に拠り出国した違反者の上陸拒否期間は1年です。
該当要件
(1)出国の意思をもって自ら入国管理局に出頭した者であること
(2)不法残留以外の退去強制事由に該当しないこと
(3)窃盗罪等の一定の罪により懲役又は禁錮に処せられた者でないこと
(4)過去に退去強制されたこと又は出国命令を受けて出国したことがないこと
(5)速やかに出国することが確実に見込まれていること
 例えば、他人名義の偽造旅券を行使して不法入国した違反者が自ら入国管理局に出頭申告して出国を希望しても、これは不法残留に該当しないので過去に違反歴がなくても「出国命令書」を取得して出国できません。また、違反者の真正な名前の旅券で入国していても生年月日が異なる偽変造旅券の場合も出国命令には該当しません。これらに該当する違反者の上陸拒否期間は5年間です。
 
改正入管法 (2)

上陸特別許可および在留特別許可
(1) 人身取引等に関する上陸拒否事由及び退去強制事由の改正
 従来の入管法上は、人身取引等の被害者が、売春等に従事させられるなどした場合であっても、退去強制事由等に該当し、退去強制等の対象となっていました。
 こういう被害者は、売春を強要されたり、売春に至らないまでも、意思に反して風俗営業店で稼働させられて資格外活動を強要されるなどして、これらの被害に遭ったこと自体が退去強制処分の理由とされることは不合理であるので、今回の改正(2005年7月12日施行)により、そのような場合には退去強制事由から除外することになりました。
 具体的には、上陸拒否事由に関して、売春等の業務に従事したものから「人身取引等により他人の支配下に置かれていた者」を除外し、また退去強制事由に関して、専ら資格外活動を行っていたと明らかに認められる者及び売春等の業務に従事した者から「人身取引等により他人の支配下に置かれている者」を除外することになりました。
(2) 人身取引等に関する上陸特別許可事由及び在留特別許可事由の改正
 人身取引等の被害者は、偽造旅券を持たされて不法入国させられたり、当初は、合法的に入国したが、加害者の支配下に置かれているうちに、在留期限が経過して不法残留となることが少なくありません。
 出身国に帰国することによって犯罪組織の関係者から生命・身体に危険が生ずるおそれもある場合など、本邦における在留を特別に配慮すべき事情があります。そこで、今回の改正により、先ず、「人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に入ったものであるとき」には、上陸特別許可を与え得る旨の明文規定を設けることになりました。これは、上陸申請段階において現に人身取引等の被青に遭っている者からの保護要求に対処するための規定です。
 人身取引等により他人の支配下に置かれたために不法滞在状態に陥った者などについても我が国に滞在できるよう、「人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に在留するもの」には、在留特別許可することができる旨の明文規定を設けることになりました。これにより、被害者が安心して被害の申告ができるようになるものと考えられます。


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