宇波行政書士事務所
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上陸特別許可
退去強制処分で送還された外国人の招聘
 平成12年2月18日に入管法の一部改正にともない、強制送還された外国人(被退去強制者)に対する上陸拒否期間が1年から5年に伸長されました。しかし、法務大臣が特別な理由があると認める場合は、出国日から5年を経過していなくても入国が認められるケースがあります。

 送還されてから5年経過しないで日本への入国が認められることはない。と、明言しているサイトも
散見されますが、これは誤りです。事実、私どもの事務所では平成12年2月18日の施行日以降に
退去強制処分となった外国人の方を招聘したいとの業務を依頼されております。そして、関係書類を作成して入国管理局に入国を認められております。
- 本文 -
 上陸特別許可が何であるかは入管法には具体的に明記されていないようです。申請の実務を通して分かることは、平易に申しあげれば、入管法上は入国を拒否できる者であっても、特別の事情があれぱ、法務大臣は入国を許可することができるということでしょうか。許可となる対象者は、本来は入国を許可されない者ですから、大まかに申しあげれぱ、かつて日本に在留した事実がある外国人で入管法の5条に該当する者。あるいは上陸にあたって在留の目的が明確であり、在留資格を証明する文書を提出できる者となるでしょうか。

 前項で申しあげた、在留資格認定証明書不交付の処分に接して5条等の該当者とされた方は、上陸特別許可を得なければ一定の期間は入国できないことになります。永久上陸拒否(薬物や管理売春等)に該当する者を除いて、上陸特別許可は、申請人の文書の不備や勘違いで在留資格認定証明書が不交付となったケースとは違い、本来なら入国を認められない者に入国を許可することです。そのため審査は慎重に行われると考えられます。必然的に審査に要する時間も通常よりも多くかかると推定されます。それだけに、申請人は真撃(しんし)にかつ慎重に提出文書を作成しなければなりません。

 ときどき、不交付になっても何度も申請すれば熱意が伝わって上陸特別許可が認められる。 と言うことを仄聞(そくぶん)いたしますが法的根拠のない話です。5年間の上陸拒否期間を定めた入管法の改正条文は形式的条文ではありません。ダメ(不交付)なものは何度申請してもダメであり、上陸特別許可が認められるものは相当の理由があれば認められと理解しております。

 私どもの事務所でも過去に5年間の上陸拒否期間を待たずに上陸特別許可を認めていただいた事例はあります。どのような場合に認めていただいたか、その事例を列挙しても余り意味はないと思われます。それぞれ諸事情が異なるためです。上陸特別許可を認めていただくための決め手とか画一的な方法はないと考えております。あくまでも、事案事案(CASE BY CASE)で対応するしかないと考えております。

 因(ちなみ)に、いままで私どもの事務所で上陸特別許可のための文書作成を依頼されて入国が認められた方の国籍は、タイ国中国韓国フィリピン国・バングラデシュなどです。
 インターネットのサイトで上陸特別許可に関して、入国管理局の姿勢が退去強制処分となった者に対しての入国に積極的でなく後ろ向きであるかのような表現も散見されます。入国が認められない或いは審査に時間がかかり過ぎると訴えるサイトもあります。一方、そこには、どうして過去に退去強制処分となったか。その理由に触れられていることが少ないようです。法律に違反した者はそれなりのペナルティを課せられるのは仕方のないことです。私は、経験から申しあげれば、入国管理局は最大限、人権にも配慮して対応してくれていると思っております。申請人は、わが国の行政庁を信頼したうえで、できうる限り正確で分かり易い文書を提出して、審査結果を待っという姿勢が望ましいと思います。

 上陸特別許可につきましても、事情をお聴きして対応させていただきます。


 尚、上陸特別許可のためには入国する前に入国管理局に対して入国日及び搭乗機の便名並びに
上陸港(空港)を事前に通知しておかねばなりません。
 
上陸特別許可

退去強制処分で送還された外国人の招聘

日本人の配偶者等
 下記に掲載いたしました5例の在留資格認定証明書は、過去に不法残留したり不法滞在として退去強制処分を受けた方のものです。在留資格はいずれも「日本人の配偶者等」です。本来であれば、退去強制処分で出国した日から5年或いは10年上陸拒否事由に該当する方ですが、特別な事情があると認められて在留資格認定証明書を取得なさいました(上陸特別許可)。
 5条該当者に対して特別に在留資格認定証明書が交付されるときは、現行、その
証明書の右上に赤い色の数字で7-1-4と記載されます。これは入管法第7条第1項第4号の該当者であることを、つまり「当該外国人が既に第5条第1項のいずれにも該当しないこと。」を意味します。在外公館でのビザ(査証)発給やその後の空港での上陸審査のために記載されているものと考えられます。(2005年7月20日現在)
画像をクリックすると拡大表示されます
フィリピン (2002年10月21日交付)
韓国 (2004年8月25日交付) 韓国 (2004年9月6日交付)
バングラデシュ (2005年7月4日交付) 韓国 (2005年7月5日交付)
改正入管法 (1)
施行日 平成16年12月2日
上陸拒否期間の改正と出国命令制度の新設
1 上陸拒否期間の改正
 平成12年2月18日に入管法の一部改正が施行され、上陸拒否期間がそれまでの1年から5年に伸長されましたが、更に平成16年12月2日に上陸拒否期間に係る法律が再度改正されました。
 従来は、入国管理局に自ら出頭申告して出国する違反者も収容されて退去強制処分となる違反者も上陸拒否期間は同じく5年でしたが、今回以下のように改正されました。
(1)過去に退去強制歴のある者(今回が初めての違反でない者) 10年
(2)出国命令により出国した違反者                    1年
(1)及び(2)以外の違反者の上陸拒否期間は5年です。
2 出国命令制度の新設
 退去強制手続きにおいては従前から事実上その身柄を収容しないまま出国させる措置が実施されていましたが、平成16年12月2日の入管法改正においては違反者のうち、一定の用件を満たす不法残留者について、簡易な手続きにより出国させる出国命令制度が新設されました。出国命令に拠り出国した違反者の上陸拒否期間は1年です。
該当要件
(1)出国の意思をもって自ら入国管理局に出頭した者であること
(2)不法残留以外の退去強制事由に該当しないこと
(3)窃盗罪等の一定の罪により懲役又は禁錮に処せられた者でないこと
(4)過去に退去強制されたこと又は出国命令を受けて出国したことがないこと
(5)速やかに出国することが確実に見込まれていること
 例えば、他人名義の偽造旅券を行使して不法入国した違反者が自ら入国管理局に出頭申告して出国を希望しても、これは不法残留に該当しないので過去に違反歴がなくても「出国命令書」を取得して出国できません。また、違反者の真正な名前の旅券で入国していても生年月日が異なる偽変造旅券の場合も出国命令には該当しません。これらに該当する違反者の上陸拒否期間は5年間です。
 
改正入管法 (2)

上陸特別許可および在留特別許可
(1) 人身取引等に関する上陸拒否事由及び退去強制事由の改正
 従来の入管法上は、人身取引等の被害者が、売春等に従事させられるなどした場合であっても、退去強制事由等に該当し、退去強制等の対象となっていました。
 こういう被害者は、売春を強要されたり、売春に至らないまでも、意思に反して風俗営業店で稼働させられて資格外活動を強要されるなどして、これらの被害に遭ったこと自体が退去強制処分の理由とされることは不合理であるので、今回の改正(2005年7月12日施行)により、そのような場合には退去強制事由から除外することになりました。
 具体的には、上陸拒否事由に関して、売春等の業務に従事したものから「人身取引等により他人の支配下に置かれていた者」を除外し、また退去強制事由に関して、専ら資格外活動を行っていたと明らかに認められる者及び売春等の業務に従事した者から「人身取引等により他人の支配下に置かれている者」を除外することになりました。
(2) 人身取引等に関する上陸特別許可事由及び在留特別許可事由の改正
 人身取引等の被害者は、偽造旅券を持たされて不法入国させられたり、当初は、合法的に入国したが、加害者の支配下に置かれているうちに、在留期限が経過して不法残留となることが少なくありません。
 出身国に帰国することによって犯罪組織の関係者から生命・身体に危険が生ずるおそれもある場合など、本邦における在留を特別に配慮すべき事情があります。そこで、今回の改正により、先ず、「人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に入ったものであるとき」には、上陸特別許可を与え得る旨の明文規定を設けることになりました。これは、上陸申請段階において現に人身取引等の被青に遭っている者からの保護要求に対処するための規定です。
 人身取引等により他人の支配下に置かれたために不法滞在状態に陥った者などについても我が国に滞在できるよう、「人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に在留するもの」には、在留特別許可することができる旨の明文規定を設けることになりました。これにより、被害者が安心して被害の申告ができるようになるものと考えられます。
 
- 参考意見 -
 申請取次行政書士の資格を取得するには、私の記憶では、1997年頃までは法務省が主催して(財)入管協会が窓口となって実施された試験(考課)に合格することが必要でした。その試験では正解率が90パーセント未満だと不合格となり申請取次資格を取得できませんでした。
 どのような経緯かは分かりませんが、その後、その試験(考課)は廃止になり、行政書士であれば誰でも(財)入管協会の1日講習を受ければ申請取次行政書士の資格を取得できるようになりました。極論ですが、今は、入管法を殆ど勉強していなくても申請取次行政書士の資格が取得できるようです。MENUの強制送還と仮放免許可申請の文末でも触れていますが、最近は申請取次資格を取得して間もなくホームページを開設して集客する行政書士の方も多いようです。それはそれで一つの営業活動
だと思料いたします。
 しかし、現実には、その知識や実務経験の差は歴然としてあるようです。退去強制処分となった外国人が送還日から5年以内に入国することは事実上ない。と、間違った記載がされたりしております。また、不法残留で収容された外国人女性と収容期間中に婚姻すれば100パーセント在留が認められるとの
申請取次行政書士の言葉を信じ、その女性と婚姻(通称駆けこみ婚)して在留特別許可の手続きはしたものの被収容者が送還されたケースもあるやに仄聞(そくぶん)しております。更に、婚姻にも至らずその婚姻手続きの途中で送還されたケースも伺っております。

 申請が不交付(不許可)となったり、或いは願い出が認められずに送還されてから相談にお越しになる方が多くいらっしゃいます。茫然自失となった相談者とお話するのは私どもにとっても辛いことです。上陸特別許可収容ケースの在留特別許可の手続きについては、書類作成事務を依頼される前にその事務所の実績をよく検討されることをお奨めいたします。



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